前回のブログから1年以上ぶりの投稿になり、その間たくさんのできごとがありましたが、明日、新しい職場(カナダ3箇所目)で働き始めます。キリの良いタイミングだから今こそブログを…!と書き始めては力尽き、いつか公開できればと思っている下書きがいくつも眠っていますが、明日から始まる新しい生活への気持ちを、今回は新鮮なうちに残しておきたいと思います。
「もしやりたいプロジェクトが何でも実現できる理想の仕事があるとしたら、それは何?前夜、どうしても就きたくて、紙に書いて枕の下に置いて寝るぐらい、それぐらい強く願う仕事」
明日から働く組織で上司となる方に、電話面接で聞かれた質問です。
バンクーバーに来てディベロッパーになって、いつの間にか確固たる目標になっていた「まずはどんなプロジェクトも形にできるような、どんな問題でも解決できるようなディベロッパーになって、ゆくゆくは自分の理想のプロジェクトに携わる」こと。ディベロッパー3年目の現段階では、とにかくスキルを磨いて自立することだけを考えていました。そして、たくさんの優秀なディベロッパーから学べるような環境、多くのユーザーを持つ大企業で働くことを意識するようになっていました。できるディベロッパーを目指すなら、それが私の通るべき道だと思っていたのです。
そんなだから、先の質問に対して私は身に付けたいスキルを挙げ、理想のディベロッパーになれるようなプロジェクトがやりたいと答えました。
私の回答を聞いた新しい上司は、「AIを使った最新のロボットを作りたいのか、ソフトウェアを作りたいのか、はたまた全く別のことをやりたいのか、君のやりたいことが分からない」と。
「大企業なんかがやっている、便利な生活をより便利にしていくような最新のプロジェクトより、不便な思いをしている人たちの手助けになるようなことがしたい」と、その場ではそう伝えるのがやっとでした。
面接後も、「私が本当にやりたい仕事って何なんだろう」と考え続けました。テクノロジーを必要としている人って誰?私が幸せになってもらいたいのは誰?食事をしながら、シャワーを浴びながら数時間考えて。やっと出た答えは、新しいアイディアでも何でもなく、海外に出てディベロッパーになろうと決めた頃にワクワクしながら思い描いていた仕事でした。と言っても具体的ではないのだけれど、「少子化が進む地元・高知の問題を解決できるようなプロジェクトに携わりたいと思っている」と、新しい上司には面接翌日にメールで伝えました。
ディベロッパーとして上を目指そうとする中で、もう思い出すこともなかったかもしれないくらい埋もれてしまったあの頃の志を思い出して、とても嬉しくなりました。「私は将来自分のスキルをこういうことに使うんだ」と視界が一気に開けたようで、この面接が今後の私にとってとても意味のあるものになるのだと感じました。この質問をしてくれた新しい上司には勝手に感謝の気持ちでいっぱいです。ディベロッパーになってからは、自分を他人と比べて劣等感を抱いたり焦ったりしていましたが、今後は自分のゴールに向かってしっかり進んで行けそうです。(もちろんこれからも上は目指します!)
新しい仕事では、大学のプロジェクト・世界中の農家の方が無料で使えるアプリケーションにフルスタックエンジニアとして携わります。日本にも少しユーザーがいるとのことで、農業の盛んな高知でも、より多くの農家の方たちに使ってもらえればと思っています。
高知の方たちのために何かできるかもしれないと、いつになく楽しみな新しいスタートです。